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『ハウ・イット・フィールズ・トゥ・ビー・サムシング・オン』
サニー・デイ・リアル・エステイト

Warner Music (WPCR-10084)

 いいよー、これ。最高だよー!と思わず膝を手で叩いてしまった大復活アルバム。
 サニー・デイ・リアル・エステイトは、ダン・ホーナー、ネイト・メンデル、ウィリアム・ゴールドスミスの3人によってシアトルにて結成され、そこにジェレミー・エニックが加わる形で、サブポップより94年にアルバム・デビューを果たす。しかし翌年、セカンドを完成させた直後に突然解散。ネイトとウィルはフー・ファイターズへ加入した。短い活動期間だったにもかかわらず、バンドを惜しむ声は多く、一部のファンの間では伝説的な存在にすらなっていたが、やがてウィルのフー・ファイターズ脱退を機に、かつてのバンドメイト達は再接近、最終的にフー・ファイターズに残ったネイト以外のメンバーによって作り上げられた最新作がこれだ。
 影のキーパーソンであると思われたネイトが不参加、という当初の不安材料を吹き飛ばし、本アルバムはジェレミーの才能が大きく飛翔した最高傑作となった。前2作の形容に使われた(俺しか使ってない、という話もあるけど)「叙情派グランジ」、「元祖エモコア」といった言葉は、もはや彼らには相応しくない。もしU2が『アクトン・ベイビー』とは別の進化を選んでいたら……そんな夢想さえ呼び起こす素晴らしい音楽である。
 なお、フー・ファイターズをクビになった経緯から、ウィルのドラマーとしての才能を軽く見るのは大きな間違いだ。単にフー・ファイターズの現在の方向性とはそぐわなかっただけで、彼が自身のスタイルを持った優れたドラマーだということは、この作品や、99年の初来日公演によって完璧に証明されている。
 レディオヘッド、あるいはジェフ・バックリィの音楽が好きだ、という方には、ぜひ一聴を勧めたい。

1998年 鈴木喜之



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