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なるほど。あなた方の音楽スタイルの基礎は、やはりパンク・ロックにあると思いますが、同じアメリカのバンドでも、もっと西/南の方の、例えば最近すごく盛り上がっていたオレンジ・カウンティ出身のパンク・バンドの連中と比べて、自分たちは明らかに精神性が違うと感じたりしますか?

Rob:完全に違うものだね。僕たちの音楽の方が、もっと誠実で、もっとクリエイティヴなことをやろうとしていると思う。オレンジ・カウンティ出身のバンドの多くは、ただBlink182の真似をしているだけにしか映らないよ。それに彼らの多くは、パンク・ロックの起源というのを理解してなさそうだし、本当に知らなかったりする。セックス・ピストルズのバッヂをつけてるけど、パンク・ロックのことはまるで理解していないんだ。一方で、僕たちの音楽は間違いなくパンクに根付いているものだ。少なくとも、アティテュードの面に関してはパンクのスピリットを持ってやっている。こないだもメジャーと契約する話が持ち上がったけど、結局断わったしね。自分たちでレーベルを立ち上げたりもしているし、そういうことからも十分パンクのスピリットに叶っていると思うんだ。とにかく、オレンジ・カウンティのバンドと僕たちの間には大きな違いがあると思う、というか、思いたい(笑)。

では逆に、現在のシーンで共感できるバンドといったら、どんなバンドがいるでしょうか?

Rob:アット・ザ・ドライヴ−インというバンドとは、バンド活動の方法論において考え方が同じだね。ジミー・イート・ワールドとも同じ考え方を持っていると思うけど、彼らはメジャーに行って、そこでけっこうキツい思いをしているらしいね(※その後Jimmy Eat Worldはキャピトルとの契約を破棄された)。Braid(※解散後、元メンバー達はヘイ・メルセデスを始動)とも、かなり気が合う。でも、Braidの方が理想とかにおいてはパンクだけどね。僕たちもファンには誠実でいたいけど、同時に成功したいとも思っているから。

ジミー・イート・ワールドとは、一緒にツアーを廻っていますよね。彼らは『クラリティ』というアルバムで打ち込みやドラム・ループを使ったりして、これまでのストレートなパンク路線から音楽性を拡大しつつあるという印象を受けました。あなた方もメンバーにキーボーディストがいますし、今後そうした音楽要素を取り入れていく可能性はありますか?

Rob:絶対ない、とは言えないね。自分でもそういうタイプの音楽を聴いたりするし。メンバー全員かなり幅広い音楽テイストを持っているしね。でも、現時点では僕たち自身の音楽に積極的に取り入れていくことは考えていないよ。将来的には可能性は出てくるかもしれないけど、今のところは、あまり考えられないかな。

日本盤にはボーナス・トラックとして、ニュー・オーダーの“リグレット”のカバーが収録されているのですが、何故この曲をカバーしようと思ったのですか? ブリティッシュ・ニューウェイヴからは、どのくらい影響を受けているのでしょう?

Rob:実は、だいぶ前に80年代音楽のカバー集に誘われていて、僕はニュー・オーダーと“リグレット”が大好きだったから是非この曲を入れたいと言って、実際にそのカバー集用にレコーディングしたんだけど、録った後になって“リグレット”は実は1991年の曲だ、ということに気がついてさ(笑)。だから、80年代の音楽としては該当しなかったんだよね。結局この曲はどこにも使われずに、そのまま放っておかれていたんだ。ちなみに80年代のカバー集には、代わりにキュアーの“クロース・トゥ・ミー”をレコーディングして提供したよ。そんなわけで、せっかく作ったニュー・オーダーのカバー曲が今回陽の目を見ることができて喜んでいる。ブリティッシュ・ニューウェイヴには、かなり入れ込んだね。ニュー・オーダー、デペッシュ・モード、ペット・ショップ・ボーイズなんかが大好きなんだ。

あなたたちは、先に発売されたピクシーズのトリビュート盤にも参加していますが、なんでも今度はヘヴィメタルのトリビュート盤に、モトリー・クルーのカバーを提供するとか? 80年代のハリウッド・メタルも好きだったのでしょうか?

Rob:もうすでにヘヴィメタル・トリビュートのプロジェクトは終了したよ。トリビュートものは大好きなんだ。でも、ちょっとやりすぎちゃったから、今後しばらくはやらない方針でいくことにしたけどね。で、確かにモトリー・クルーの曲をカバーしたよ。こないだ発売されたばかりなんじゃないかな。楽しかったよ。マットが特にそういう80年代メタルの大ファンなんだよね。僕はティーンエイジャーの頃は、ラップやポップ・ミュージックに傾倒していたんだけど、マットはグラム・メタル野郎だったんだ。ポイズン、モトリー・クルー、ガンズ・アンド・ローゼスとかの大ファンでさ。とにかく、マットはそういうバンドのことなら何でも知ってるメタルおたくなんだよ。個人名まですべて覚えているからねえ。やつは狂ってる(笑)。僕たちがカバーした曲は“オン・ウィズ・ザ・ショー”という曲だったんだけど、僕はどのアルバムに入っている曲とか、全然知らないんだ。モトリー・クルーというバンドの存在からくるノスタルジーは確かに感じるけど、そんなに詳しいわけじゃないからね。でも、マットはアナログとCDの両方でモトリー・クルーの全アルバムを持ってるんだ(苦笑)。

(笑)。ところで『サムシング・トゥ・ライト・ホーム・アバウト』のジャケットには、ロボットの恋人たちや、ロボットの天使が描かれていますが、この絵が表しているものは何ですか?

Rob:僕たちの友人でトラヴィス・ミラードという人がジャケットの絵を書いてくれたんだ。彼にレコードを聴かせて、自由に創作してもらったんだよ。基本的には、レコードの中味を反映するようなジャケットにしてほしい、というリクエストだけ出しておいてね。どうも、この絵の意味というのは、僕たちがツアーに出かけた時に目のあたりにするいろんなクレイジーなものを表しているようなものらしい……けっこう奇抜な絵だよね。ツアーから帰ってくると、よく地元の友人たちに「ツアーはどうだった?」とか聞かれるんだけど、「良かったよ」って答えるしかないんだよね。実際には色々と奇妙な体験とかしてきているんだけど、それをうまく説明するような言葉が見つからないんだ。そういう背景があってアルバム・タイトルを決めたところもあるし、こういう変な絵を使おうと思ったのも、言葉で言い表せない体験とかを何とか表現したいと思ったからなんだ。ロボットを使ったのは、すべてトラヴィスのアイデアで、とにかく突飛なものを描こうっていう気持ちからロボットになったみたいだよ。それに、僕たちの歌というのは、ほとんど人間関係についての歌だから、カップルのロボットが描かれていたりするんだ。

なるほど、さて、来年2月に待望の来日公演が決定していますが、意気込みのほどを聞かせてください。

Rob:確か、合計で4回のライヴをやるはずなんだけど、その他の詳細についてはまだ聞かされていないんだ。でも、絶対に楽しいツアーになるよ。ライヴではバカになって全てをさらけ出すことにしているからね。

ちなみに、日本のパンク・シーンに興味はありますか?

Rob:もちろん興味はあるけど、とにかく日本の情報は凄く少ないんだよね。今度日本に行った時に、いろんなバンドを観るのを楽しみにしているよ。でも、アメリカのバンドが遠く離れた日本のバンドに影響を与えることができるなんて、素晴しいことだと思う。ヨーロッパにも、僕たちの曲をカバーしているバンドさえいて、それを知った時には本当に驚いたよ。とっても嬉しかったけどね(笑)。

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